【ご相談】
購入した高額の中古商品(高級時計等)が引渡後、数回使用した時点で壊れてしまったが、売主が、中古商品であって保証外であるとして賠償に応じてくれないという相談を受けることがあります。
【解決方針】
1 取り得る手段
このような場合、売主に対して取り得る手段は以下のとおりです。
①修補(修理)請求(民法562条)
②代替物引渡請求(民法562条)
③減額請求(民法563条1項)
④損害賠償請求(民法415条1項本文)
⑤催告解除(民法541条本文)
ただ、高額の中古商品は、代替物がない可能性が高く、その場合には、②の請求はできません。また、③は、ひとたび行使すると、④・⑤の請求ができなくなる可能性がありますので、最初から行使するのは現実的ではありません(注)。そのため、まずは、①・④・⑤の手段を検討することとなります。
(注)この点について詳しくお知りになりたい方は、下記URLの「代金減額請求権の危険性」の記事をご参照ください。
https://os-lawyer.jp/blog/455/
2 各手段を取り得る法的理由
売買契約において、売主は、契約に適合した商品を買主に引き渡す義務があります。
本件では、中古商品とはいっても、通常使用に耐える品質の商品を売主が引き渡す義務があったといえます。
本件商品は、数回の使用により破損しており、引き渡し時に通常使用に耐える品質の商品であったとは考えられません。
したがって、売主は、上記義務を果たしたとはいえず、契約不適合責任(民法562条、563条)及び債務不履行に基づく損害賠償責任(民法415条1項本文)を負うこととなりますので。これに基づいて、①又は④の請求を売主にすることとなります。
また、商品を返却しても問題ない場合には、債務の履行(①・④)を求め、それが履行されない場合には解除する旨の告知(催告)をした上で契約を解除(⑤・民法541条本文)することが考えられます。ただし、商品の損傷が軽微である場合には、解除が認められない可能性もあります(同条但書)のでご注意ください。
3 相手方の主張への反論
なお、仮に、売買契約書に「中古商品であって保証外」といった内容が盛り込まれている場合でも、当該条項は、(買主が個人である場合には)消費者契約法8条及び8条の2(消費者に不利な一定の契約条項を無効にするもの)により無効になる可能性がありますので、売主の言をうのみにしないようにしましょう。
4 結語
このようなトラブルに巻き込まれた場合には、法的にはやや複雑な部分がありますので、弁護士に相談するようにされてください。